今回お部屋を提供していただいたのは、練馬区の一戸建てにお一人で暮らしている福田さん(83歳男性)。福田さんは、自ら開発した商品を元に、これから会社を起業しようというパワフルなおじいちゃんです!
福田さんは当初「シェアハウス」という言葉すら知りませんでしたが、たまたまメンバーの加藤、大友と出身高校が同じだということを知ると「後輩の頼みは、断れないな」という理由で、シェアハウス体験を快諾していただきました!
泊まった3人は、当プロジェクト学生メンバーの佐藤、加藤、大友。
高齢者1人と若者3人で、シェアハウス体験の始まりです!!
【1日目】
PM 2:00 シェアハウス体験スタート!
福田さんのお宅に到着し、まずは自己紹介。体験中は、普段あまり使っていない2階部分を、若者のスペースとして使わせてもらうことになりました。
PM 4:00 みんなで老人ホームへ
福田さんの奥様が入所されている老人ホームへ。福田さんの普段通りの生活を見せていただくべく、私たちも同行させていただきました。
PM 6:00 福田さん宅に戻り夕食
福田さんが事前に準備をしていただいた料理をごちそうになりました。自家製の塩麹を使ったお肉がおいしかったです!福田さんは、奥様が老人ホームに入所されてから料理の勉強を始めたそうです。いくつになっても新しいことを始めることの大切さを伝えてくださいました。
PM 8:00 福田さん行きつけのカラオケへ!
福田さんに近所のカラオケへ連れて行ってもらいました。私たち若者は、カラオケ“ボックス”ではないカラオケが始めてだったのでカルチャーショックを受けました!常連さんたちからまわってくるマイクに困惑しながらも、知ってる限り昔の曲をうたいました。
AM 0:30 ほろ酔いのまま帰宅→就寝
閉店までカラオケを楽しみ、帰宅。すっかり遅い時間になってしまいました。順番にシャワーを浴び、就寝。引っ越し当日のような疲れで、ぐっすりです。
【2日目】
AM 8:00 起床→2日目スタート
起床し1階に下りると、既に活動を始めている福田さん。若者と同じ時間に寝たはずなのに!高齢者の方の朝は早いです。
AM 8:30 朝からたっぷり食べます
今朝も福田さん手作りの豪華な朝食。普段よりも健康的な生活をしている気がします。
AM 9:00 部屋の掃除
1人暮らしではなかなか手が届かないであろうところを、若者が入念にお掃除しました。
AM11:00 若者外出
帰宅予定の時間を伝えて、若者たちは外出。今夜の夕食は、若者たちでつくる約束をしました。
(各自、それぞれの時間を過ごす・・・)
PM 5:00 夕飯の材料を買いもの
若者3人はスーパーに再集合。夕飯の献立を考えながらの買い出しです。
PM 6:00 若者帰宅
少し照れつつも「ただいまー」と元気に挨拶。そのまま、佐藤・加藤は料理を、大友は福田さんのパソコン指導をすることに。指導と言っても、簡単な操作のお手伝いをしただけ。それでも、とても感謝していただきました。
PM 7:00 今夜は若者がつくった夕食!
献立は、餃子と春雨サラダと中華スープ。福田さんにも「おいしい」といっていただいて、一安心です。福田さんにビールを勧められましたが、昨日もだいぶ飲んだので、今日は、ノンアルコールで。
PM11:00 それぞれの部屋へ→就寝
ごはんを食べ終わった後も話は盛り上がり、食卓を離れたのは11時ごろ。部屋に戻った後は、音楽を聴いたり、早めに寝たり。それぞれが思い思いの時間を過ごしました。
【3日目】
AM 7:00 起床→3日目スタート
AM 7:30 別れの朝ごはん
昨晩食べきれなかった春雨サラダと中華スープを朝ご飯に。3日間のことを振り返りながら味わいました。
AM 8:00 シェアハウス体験終了!
荷物をまとめ、福田さんにお礼を伝えます。すると、「またときどき遊びにおいでよ」と嬉しい言葉をいただきました。ぜひまたカラオケ連れていってくださいね!福田さん、本当にありがとうございました!
さて、ここからは体験を終えて、私たちが考えたことをまとめてみました。
若者の知らない世界
異世代交流の魅力のひとつに、知らない文化に触れられるということがあります。今回連れて行ってもらったカラオケは、若者だけで遊んでいたら、おそらく入ることのないお店だったと思います。新しい世界に一歩踏み入れるきっかけを与えてくれるというのは、異世代交流の魅力のひとつではないでしょうか。
となると、次回は若者が普段遊んでいるスポットにも連れて行ってあげたいなと思いました!音楽がガンガン流れるクラブで踊っている福田さんというのも想像つきませんが。
耳を傾ける
体験中、福田さんといろいろなお話しをしました。そのなかには、福田さんの生い立ちや、ご家庭の事情などについても含まれていました。おそらく、一度会っただけではここまで深い話にはならなかったと思います。
福田さんには、自分のことを私たちに伝えたいという想いがあったのでしょう。一緒に住んでいると、相手のことを深く知るきっかけがたくさんあるのだと感じました。
空間的な考察も
今回、若者たちは2階を使わせてもらいました。気を遣ってくださったのか、体験中、福田さんが2階にあがってくることはありませんでした。これにより、どういうことが起こったかというと、【1階ダイニング=交流のスペース】、【2階=若者のプライベートスペース】とはっきり分かれてしまいました。
私たちが感じたのは、「もうすこし、交流とプライベートの中間の空間があってもいいな」ということでした。たとえば、本を読んでいながらも、誰かに声をかけたらすぐに反応できるような空間です。それは、お互いの関係性によって成立することでもありますが、空間的な工夫で解決できることもあるのではないでしょうか。これについては、今後も考察していきたいと思います。
シェアハウスに向いているのは「間借り型」?「共同型」?
今回のシェアハウス体験は、高齢者のお宅の空き部屋をお借りする「間借り型」でした。このタイプのメリットは、高齢者が主導権を持つことができること、高齢者の環境の変化が少ないことなどです。現に、国内外で報告されている異世代シェアハウスの先行事例も、ほとんどがこの「間借り型」です。
一方、本プロジェクトでは、当初より空き住戸に高齢者と若者が同時に引っ越してくる「共同型」のシェアハウスを目指しています。これにより、お互い対等な立場で生活をスタートさせることができると考えているからです。住民みんなで、一から部屋の家具やレイアウトに関与していくことで、自分の家という意識や愛着が生まれてくるのではないでしょうか。ぜひいつか、「共同型」シェアハウスの体験をしてみたいと思いました。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました!若者にとっては、新たな発見に満ちたシェアハウス体験となりました!
では、高齢者はどう感じたのか?体験会の後日、改めて福田さんにインタビューをおこなってきたので、そちらの様子は別途掲載予定です!鋭意編集中ですので、ご感想などいただければ励みになります!!
光が丘シェアハウスプロジェクトでは、試行錯誤(というより暗中模索?)しながらではありますが、今後もシェアハウス体験を実施していく予定です!「こんなのシェアハウスじゃない!」という厳しいご意見から、「家にも泊まりにきて!」というありがたいお申し出など、どんなことでもコメントしていただければ、メンバー一同うれしいです!
本当に、最後までおつきあいいただき、ありがとうございました。